2011年7月23日首都圏集会アピール文
「お金がないと学校に行けないの?」首都圏高校生集会実行委員会アピール文
友だちと語らい、部活に励み、行事に共に取り組み、授業内容を教え合う
この中で、悩み、笑い、そして自分を発見したりします
私たちは、毎日、友だちとこのような高校生活を送っています
高校生は学費・進路について心配し悩みながら学校に通っています
友だちが、突然来なくなり、そして退学していった…
その理由を耳にしたら、「学費が払えないから」…このようことが現実に起こっています
私たち「お金がないと学校に行けないの?首都圏高校生集会実行委員会」は
高校生が学費に悩まないように、「教育の無償化」を訴えてきました
そして、全国の多くの人々や諸団体の活動によって
教育費無償化への一歩となる、「授業料無償化-授業料不徴収-」が実現しました
しかし、様々な問題が浮かび上がってきました
特定扶養控除が縮小され、保護者の税負担が増加し、教育に影響を及ぼす事態が生まれました
授業料無償化にともない、学校納付金の減免制度が廃止になった学校もあります
高校統廃合等の結果、通学範囲が広くなり、通学費用の負担が増えた仲間もいます
授業料無償化の対象外にされている高校生もいます
このような事もあり、「授業料無償化」後、学校での学費支払状況について心配になりました
そこで、再び「授業料無償化になったけどアンケート」を実施しました
寄せられたアンケート回答数は901人でした
授業料が不徴収になって「助かった」と回答した生徒は
夜間定時制生徒は67.1%、公立全日制生徒は53.0%、私立高校生は22.5%でした
「全体として納めなければならない額は変わらない」と回答した生徒は
夜間定時制生徒は29.4%、公立全日制生徒は28.5%、私立高校生は49.4%でした
また「納めなければならない額が増えた」と回答した生徒が2.9%います
この結果は、授業料無償化だけでは高校教育を保障するものになっていないことを示しています
前回調査で「高い学費のため高校を続けられるか不安」と答えた私立高校生が21.6%いました
「学費のことで家族に迷惑をかけて申し訳ない」と感じる高校生は私立55.8%・公立26%でした
つまり、授業料無償化後の現在、前回調査と同様、
「何らかの経済的な不安を抱きながら高校に通っている」状況に変化がないことがわかりました
経済的に困難だった高校生は、相変わらず「追い込まれている」状況なのです
ほとんどの先進国が高校教育は無償です
しかし日本は、高い学費を高校生とその保護者に負わせています
多くの先進国では、返還なしの給付制奨学金があります
しかし、日本では奨学金は簡単に借りられても、返済は大変です
日本では、高等学校での漸進的無償化をうたった国際人権A規約の該当条文を留保しています
留保している国は国際人権規約を批准する160ヵ国中、日本とマダガスカルの2ヵ国だけです
日本の高校生がお金の心配をせずに、高校で学び続けられるために、教育の無償化を要望します
また、緊急の課題として、以下のことを強く要望します
1 教育の無償化を進めて下さい
2 中等・高等教育無償化の漸進的導入を規定した国際人権A規約13条2項(b)(c)の留保を 撤回し下さい
3 緊急措置として、教科書代を無償にしてください
4 緊急措置として、給付制奨学金制度を創設して下さい
2011年7月23日 首都圏高校生集会実行委員会
2009年7月26日首都圏集会アピール文
「お金がないと学校に行けないの!」
首都圏高校生集会実行委員会・アピール文
この10年間で、経済的格差や貧困が広がりました。この中で、私たち高校生は「エリをつかまれて学校からつまみだされる」息苦しさを背負って、毎日学校に通い学校生活を送っています。
10年前には、定時制生徒の授業料減免者数が5.9%でした。07年には、授業料減免者数が19.7%と約3倍に増大しました。この間、授業料減免基準が厳しくなり、授業料を払えず、学校に通えない高校生が増加しています。私立高校では、家庭の事情で転学や退学を余儀なくされる友人がいます。今まで、定時制通信制生徒の経済的精神的支えとなっていた、夜食費補助や教科書補助制度も埼玉県では打ち切られています。
先進国のほとんどが、高校・大学の授業料は無償なのに、日本は有料です。また奨学金制度も、基準が厳しく卒業後に返還できるか不安を抱かせる制度になっています。そのため、多くの高校生が利用できない状況にあります。
私たち高校生が、どんなに日常生活で苦労して学校に通っているか、その実態を知るべく、アンケート調査をし、7月23日現在、夜間定時制980名・昼間定時制181名・通信制187名・全日制703名・私立41の合計2092名から回答を得ました。
高校生の8.5%が「高校の学費が高く高校に通い続けられるか不安」と感じています
「学費の事で家族に迷惑をかけて申し訳ないと思う」高校生は26.3%にも上がります。
「奨学金をもらっている」高校生は4.6%しかいません。
反面、「奨学金をもらいたい」と思っている高校生は12.2%にもなります
「アルバイトして授業料や経費などを支払う」高校生は30.8%もいます。
夜間定時制高校生の7.1%は「修学旅行費が払えず修学旅行に行けない」状況にあります。
昼間定時制と全日制高校生の約1割は「予備校や塾に行きたいが経済的に厳しい」と感じています。
昼間定時制高校生の11%が「通学費を工面するのが難しい」状況にあります。
通信制高校生の24.1%が「アルバイトして通学費を支払っている」実態があります。
そして、高校生の75.2%が「高校生活上、何らかの不安や経済的支援が必要」と考えています。
経済的格差や貧困が広がるなか、高校生達はそれを身体で感じながらも、可能な範囲で、自分の身体を酷使しながら、経費を節約しながら、何とか頑張っている姿が浮き上がってきます。
経済的な事情で、修学の機会が失われることがあってよいのでしょうか。修学の機会が失われることは、私たちの就職や進学に大きく影響します。それは、経済的格差が引き継がれて行くことにもなりかねません。いま直ぐにして欲しいことは、つぎの事です。
(1)授業料の無償化です。当面、授業料減免基準の引き下げや、私学助成補助の増額が必要です。
(2)奨学金や修学奨励費の受給基準を、誰もが受けられるように、引き下げて下さい。
(3)定通制では給食費補助の復活が必要です。本来ならば給食完全無償化であるべきです。
(4)また教科書を含め、教育諸経費の無償化も求めます。
(5)私たちの部活動や授業内容が充実したものになるように、教育予算を組んでください。
(6)アルバイトの賃金を上げて下さい、また労働条件も「学校に通える」様に配慮して下さい。労働基準法に基づいたアルバイト雇用をお願いします。
(7)そして、就職や進路の保障は絶対必要です。私たちが正規社員で働ける環境をつくって下さい。私たちが大学や短大や専門学校で安心して学べる経済的社会的環境をつくって下さい。
(8)もちろん父親母親の職の保障と、賃金安定化を要望します。
2009年7月26日 首都圏高校生集会実行委員会